簡単に夢が叶いそうなので、なんとか叶わないようにしたい。

夢

来年4月にインドに行くことになった。
その理由は長くなるので、また別の機会に書く。

インドに行くのは幼い頃からの夢で、ついに行けると思うとわくわくする。

初めてインドに憧れたのは妹尾河童氏の河童が覗いたインド (新潮文庫)にあったハイデラバードの巨石群の挿絵を見たときからだと思っていたけど、そもそも大して本を読まない自分がこの本を手にしている時点ですでに強い興味があったに違いない。

そのあとも杉山明(AKIRA)のアジアに落ちるとか神の肉テオナナカトル(新装版)の影響を受けてインドにどっぷりハマっていた時期もあった。

あれから20年近く経ったけど、いまだにインドに行ったことはない。

ここ数年、LCC(格安航空会社)が普及したおかげでいつでも行きたいところに行けるようになって、お金持ちじゃない俺でもいろいろなところに行くことができた。
新宿はいつまでもアジアで一番の大都市だと思い込んでいたけど全然そんなことはなかったし、東アジアの人々は想像よりもずっと優しく感じた。
本当に行ってよかったと感じている。

離れた場所の人や文化に触れるたびに俺の固い頭がほぐされるような気がして、これは本当に最高なことだと思っていた。

でも、そんなことにも慣れてくるとだんだんと自分に対するカウンターの気持ちが芽生えてくる。
それを詳しく説明する。

まず、飛行機はあまりにも速くて便利で、行きたいところにしか行くことができない。
それではあまりに直線的でいろいろなものを見落とすし、俺たちは「求めていた答え」しか得られないのではないだろうか。

それでも家から出ないよりはずっと良いけど、結局テレビやネットの延長なような気がしてきた。
「求めていた答えしか得られない」という意味では、Google検索と何ら変わり無いのかもしれない。

本当に欲しいのは、不意打ちで価値観がボコボコにされるような体験だ。

ここまでの話では何を言っているのかわからないかもしれないから、もう一度別の角度から説明したい。

海外のドミトリーやライブハウスで「日本に行ったことがある」という外国人にたくさん出会ったけど、みんな東京と京都ばっかりだった。

「浅草寺に行って、ビックロに行って、東京は本当に楽しかった。」と言われたことがある。

外国人向けの街の外国人向けの施設に泊まって、外国人向けの商品を買う。
それは俺が見てる日本とは違うんだと思った。
でも外国に住んでいる人でも簡単に手に入れられる日本の情報というのは、その程度なのかもしれない。

カモにされてないかな?と心配になるけど、多かれ少なかれ、俺も外国で同じようなことをして、満足げに帰っているに違いない。

思えば、俺が大好きな台湾・台中の忠信市場なんかも、台北の現地の友達に教わったスポット。
Googleで検索しても日本語のページなんて数えるほどしか無いような場所だ。
そこに行ってから、俺は台湾が大好きになった。

それだけじゃない。
日本国内の沖縄ですら、お気に入りのスポットは現地の友達に教わったマイナーな場所やお店ばかりで、どれもメインの観光地からはだいぶ離れた場所にある。

本当にその国(街)を理解するには、観光地を抜け出さなければならない。
そういう意味では、寺も店も海も有名な物は何もない=行きたくない場所こそが、行きたい場所なのかもしれない。

行きたくない場所に行くというのは簡単に見えてすごく難しい。
無理やり自分をその状況へ放り込まなければならない。

そこで、飛行機を使わずに船・電車・バスだけでインドまで行けば国境の町とか、その途中の村とか、ビザを取る大使館の近くとか、いろんなところに滞在しなきゃいけないから、たくさんのものを得られるんじゃないかと思った。

でも、すごく危ないね。

自分のフィジカルに関しては平均的な女子高生(文化部)と同程度だと思っているので、全く信頼していない。
野犬や暴漢は出会った時点でアウトだと思っている。それに痔だって心配だ。

冷静に考えれば考えるほど、本当に行きたくない。
4月まで家のこたつでぬくぬくして、待ち合わせの前日に飛行機で行ってしまったらどんなに楽で幸せだろうか。

それで思った。何だかんだと御託を並べているけど、本当は「インドに行くという夢が簡単に叶いそうになったこと」が嫌なのかもしれない。
昔の俺にとってはとても大きな夢だったから、ただの海外旅行にしたくないんだと思う。

それくらいインドには思い入れがある。
今回インド行きの話をもらって本当に嬉かった。

治安の悪い場所も通るだろうし、いつも一人だから、もしかしたらたどり着く前に死んでしまうかもしれない。
でもそれはやりたいことをやって死ぬわけだし、万が一のときもみんなにはポジティブに受け取って欲しい。
「チキンレースでやりすぎて死んだ」くらいの感じで笑ってもらえるくらいがちょうどいいかもしれない。

でもやっぱり「いいとものテレフォンショッキングに呼ばれる」という夢がまだ叶っていない。
叶っていないどころか、どんどん遠ざかっているとすら感じている。

そっちの夢もいつか叶えたいので、ここはひとつ、何とか無事に帰ってきたい。

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